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音声ブラウザ、NetReader(ネットリーダー)での読み上げテスト

小川貴史

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音声ブラウザ、NetReader(ネットリーダー) XPを検証のために購入しました。

現在の所、NetReaderのシェアはさほど高くないと予想されますが、PC-Talkerのシェアや、ホームページリーダーの開発状況を見ると、今後は徐々に高まっていくのではないでしょうか。

今回は、NetReaderでの読み上げテストで気づいた点を書き出してみます。

大多数のユーザーの環境設定は初期状態のまま

以前から「音声読み上げソフトのユーザーというのは、ソフトの環境設定は初期状態のまま利用するのか」という疑問を持っていました。

そこで、ミツエーリンクスさんが行っている「アクセシビリティPodcast」に質問をしてみました。出演者の植木さんが、プロレスラーの越中詩郎のファンだということを知っていたので、ペンネームを「読み書き越中」としたのですが、期待通り思いっきり喰いついていただきました。ありがとうございますw。

Q:音声ブラウザについて質問なんですが、音声ブラウザのユーザーというのは、 ソフトの環境設定は、初期状態のまま利用するのでしょうか。健常者の場合、ブラウザを利用するためのハードルが元々低いこともあってか大抵の場合、初期状態で利用している場合が多いかと思います。
自分の印象では、音声ブラウザのユーザーというのは、ある程度知識があるユーザーではないかと思うので、環境設定を自分に合わせて修正している方が多いのではと予想しています。
A:読み上げ速度を変えるということくらいはやるが、ほとんど初期状態のまま利用。

以前「Webアクセシビリティ@名古屋」でも同様の質問をしたのですが、やはり同じ答えでした。

ということで、これ以降は「音声読み上げソフトの環境設定は、大多数のユーザーが初期状態のまま」というのを前提として書いていきます。

「alt=""」もしくは「alt属性」自体がない画像の場合、拡張子を省いたファイル名で読み上げられる

<p><img src="hoge.gif" /></p>
<p><img src="hoge.gif" alt="" /></p>
<p><a href="#"><img src="hoge.gif" alt="" /></a></p>
<p><img src="hoge.gif" alt=" " /></p>
<p><img src="hoge.gif" alt="空画像" /></p>

上記は「hoge、hoge、hoge、hoge、空画像」と読まれました。アクセシビリティの基本として「意味のない画像は「alt=""」とする」というのがあるのですが、それと相反するような仕様です。

環境設定を「環境→閲覧オプション→説明のない画像→表示しない」にすれば読み上げられなくなりますが、初期状態の「環境→閲覧オプション→説明のない画像→レイアウト用の画像なら表示しない」になっていると読み上げられてしまいます。

「レイアウト用の画像」というのは、なにをもって「レイアウト用の画像」と認識するのか

ここで疑問に思ったのが、環境設定の項目「レイアウト用の画像なら表示しない」というのは、なにをもって「レイアウト用の画像」と認識するのかということです。

正規ユーザーになったことですし、開発元の高知システムに質問してみました。

Q:「レイアウト用の画像」というのは、なにをもって「レイアウト用の画像」と認識するのでしょうか。
A:ファイル名 space.gif の用に、透明な画像を使い、画像の幅で桁位置を調整しているページがあります。表の中に書かれていることが多く、現在のバージョンは、この画像をレイアウト用の画像と認識します。
なお、将来は画像の解析が進化し、表の中ではない別の画像もレイアウト用と認識するような場合も考えられます。

ということで、早速実験してみました。

table要素内での「alt=""」読み上げ実験

<table>
	<tr>
		<td><img src="space.gif" /></td>
		<td><img src="space.gif" alt="" /></td>
		<td><img src="space.gif" alt=" " /></td>
		<td><img src="space.gif" alt="空画像" /></td>
	</tr>
	<tr>
		<td><img src="toumei.gif" /></td>
		<td><img src="toumei.gif" alt="" /></td>
		<td><img src="toumei.gif" alt=" " /></td>
		<td><img src="toumei.gif" alt="空画像" /></td>
	</tr>
</table>

上記は「空画像、空画像」とだけ読まれました。

「レイアウト用の画像」というのは、table要素内にある「space.gif」、もしくは「spacer.gif」というファイル名の画像を指すのかと思っていましたが、違うようです。単純に、table要素内にある「alt=""」もしくは「alt属性」自体がない画像を「レイアウト用の画像」と認識しているようです。

table要素内にある「alt=""」になっている画像を、すべて「レイアウト用の画像」と認識するのはちょっと乱暴な気がします。ちょっとこの仕様はイマイチですね。ちなみにPC-Talkerだと「alt=""」でもファイル名は読まれません。

初期状態ではファイル名を読み上げないようにした方がアクセシブルな気がしますが...、どうなんでしょう。

ruby要素の読み上げはルビ側のみ

ETC(自動料金収受システム)の場合、「ETC」でも「Etc」でも「etc」でも「エトセトラ」と読まれてしまいます。そこで、ruby要素を使って振り仮名「イーティーシー」を追加してみます。

<ruby>
	<rb>ETC</rb>
	<rp>(</rp>
	<rt>イーティーシー</rt>
	<rp>)</rp>
</ruby>

上記の場合、ホームページリーダーだと「エトセトラ イーティーシー」と2回読まれてしまいますが、NetReaderでは「イーティーシー」と、ルビ側のみを読みあげてくれます。これはナイス仕様ですね。

table要素は左から右に読み流す

th要素やtd要素、headers属性などを駆使しても、まったく無視して左から右に読み流します。環境メニューを覗いてみましたが、table要素の設定は見あたりません。「テーブル読み上げモード」があるので、それで充分だという事なのでしょうか。

その他、余談

  • 「アクセシビリティポリシー」を、なぜか「アクセシビリティポリトシー」って読む。なんで?
  • NetReaderの開発会社、高知システムのサイトはすごく閲覧がしにくい。私が逆に(?)健常者だから?
  • 高知システムのサイトのNetReader紹介ページに「ネットリーダー Web制作者向け価格」というメニューがあり、値段が違ったので何か機能が付かされるのかと思いましたが、通常のソフトとまったく同じ物でした。あれれ?

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