シャドーサイトとは?
- 2009年2月24日 11:56
- Webサイト管理
「シャドーサイト」というものをご存じでしょうか。
先日、ある企業の担当者様から教えていただいて知った用語なのですが、過去の記事を見る限りでは2003年にはこの用語があったようです。
シャドーサイトとは、簡単に言えば不祥事を起こした際にアップする「お詫びページ」の事です。一般には公開しない形で用意をしておき、緊急時にそちらに切り替える形で運用をします。大企業などでは、危機管理体制の一つとしてこのシャドーサイトを用意しておく企業が年々増えてきているようです。
シャドーサイトという用語を初めて聞いたときには「また新手のSEOスパムが登場したのか」と思ってしまいましたw。
シャドーサイトはレベルに別けて用意
シャドーサイトは、起こった不祥事のレベルに別けて数パターン用意をしておくようです。たとえば危機レベル1〜4といったように4段階にしたとすると、すぐに切り替えが出来るようにCMSなどを用いてまずは仮ページを表示しておき、正式なコメントが出次第差し替えるという運用をするようです。
危機レベルおよび、シャドーサイト例
- 危機レベル1:会社の存続に関わる問題発生
- トップページ全面差し替えパターン:例
- 危機レベル2:当社の製品、サービスが原因で人命に関わる問題発生
- メインビジュアル差し替えパターン:例
- 危機レベル3:当社の製品、サービスが原因で健康に関わる問題発生
- メインビジュアル直下にバナー作成パターン:例(09/02/23現在)
- 危機レベル4:ユーザーにお知らせするべき軽度の問題発生
- ニュースリリースパターン:例
次にシャドーサイトは対応を経過で見られるページに変化
まず目的である「即時対応」が終わった後、シャドーサイトは「対応を経過で見られる」ページに変化していきます。その後は通常サイトに戻るべく、徐々に1コンテンツの形になっていきます。
運良くサイトのコピーが残っていた「トップページ全面差し替えパターン」の不二家を例に、時系列で紹介してみます。
- '07年1月11日
- '07年1月12日:更新一覧が時系列で表示される
- '07年1月15日
- '07年1月16日
- '07年1月17日
- '07年1月26日:社長による記名に変わり、不二家の歴史などの情報が追加される
- '07年3月02日:「不二家は生まれ変わります」という宣言と共に商品情報が追加される
- '07年6月20日:バナーリンクに変化
- 現在に至る
不祥事発生時のために、大企業にはシャドーサイトが必要
シャドーサイトとは、緊急時を想定して事前に制作しておくコンテンツです。そう聞くと「そんなモン作る暇があったら、不祥事が起こらないように努力すればいい」なんて言葉が聞こえてきそうですが、TVでも放送事故が起こったときのために「しばらくお待ちください」という画面を用意しておいたりしますよね。あれと同じです。
それに人間誰しもミスをしますし、最近のマスコミは「何でもいいからまず謝れ」ってスタンスなので、そういったトラブルを避けるためにも必要になるのでしょう。
危機管理体制としては、シャドーサイト以外にも不祥事発生時のアクセスの増加対策としてキャッシュサーバーを用意したり、風説の流布を少しでも抑えるためにPPC広告(Overture等)を用いたりという事もあるようです。
シャドーサイトは(シャドーといいながら)いわば表の顔です。不祥事発生時には、その顔の裏でブランド戦略室が主体となり、広報部門や法務部門、リスク対策部門、情報部門等の関係各部門と連携の上、意見集約をしながら問題解決を測っているのです。
大企業ってのは大変ですね (って、最後は他人事かい)。
- このエントリーのトラックバックURL
- http://www.ibnet.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/1014