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利益の出るWeb制作ワークフローは「成果見積」から

小川貴史

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お客様の口座から制作会社の口座にお金が動く、ではなく、お客様の利益に貢献し、お客様の口座を増やし、その利益の中から自分たちのコスト以上、貢献以下をいただくのです。

先日、セミナー「作ってからではもう遅い!制作会社がサイトを作る前にやるべきこと」を受けてきました。

お題は下記の3つ。

  1. ウェブコンサルティング会社が提案する 利益の出るWeb制作ワークフロー
  2. SEO・アクセス解析を組み込んだ、WordPressとEC-CUBEのハイブリッドサイト構築フロー
  3. サイト設計から始まる、構築前に終わらせるアクセス解析

どのセミナーもとても面白かったのですが、中でもゴンウェブコンサルティング、権成俊さんの「利益の出るWeb制作ワークフロー」が強烈でした。

マーケティングや経営のノウハウより「見積もり」の改善を

受注金額 - コスト = 利益

Web制作会社の人間というのは、新しいもの、高度なもの、凝ったものを好む人が多いです。スキルを一生懸命磨きトレーニングをし、そしてそれを成果物に活かそうとします。

成果物にうまく活かせた時は、Webサイトの成果も出やすくなりますし、お客様の満足度も上がるのですが、得てして手間をかけすぎてしまいます。スキルを高めることで手間(コスト)が増え、逆に収益が低下することがあるのです。お客様のサイトの成果に貢献することができていても、収益が下がってしまっては元も子もありません。事業が継続できなくなってしまいます。

この状態は、制作やデザインのスキルが足りないことが原因ではありません。マーケティングや経営のノウハウが足りないわけでもありません。見積もりやワークフローのスキル・ノウハウが足りない場合が多いのです。

貢献と収益両方を上げるためには、まずは「見積もり」を改善することが効果的な方法だということでした。

コスト以上、貢献以下をいただく=成果見積

一概に見積もりと言っても様々な方法があります。

  • 一式見積
  • 成果物見積
  • 工数見積
  • 成果見積

図:成果見積

権さんがおっしゃる"正しい見積もり"は「成果見積」とのことでした。

Webサイトを制作して、お客様の口座から制作会社の口座にお金が動く、ではなく、お客様の利益に貢献し、お客様の口座を増やし、その利益の中から自分たちのコスト以上、貢献以下をいただくのです。そうでないと、社会に何も貢献していないことになってしまいます。社会全体の富を増やし、それをお客様と分配する、そうでなければ世の中も良くならないのです。

制作費用は制作依頼者(クライアント)からいただくのではなく、消費者(カスタマー)からいただくつもりでなければならないということでした。

成果見積に沿ったワークフローの実現が重要

成果見積は、貢献利益がコストを上回っていなければ成立しない見積もりです。

利益を出す見積もり3段階

  1. 成果を見積もる
  2. 成果を出すために必要な作業(手間)を見積もる
  3. 必要な作業のコストを見積もる

成果を見積もる検討項目 (一例)

  • 条件:サービスは イノベーション・多角化 or 市場浸透率アップ
  • 市場のベストプラクティスで規模はどれくらいか
  • 市場成熟度
  • 条件:サイトの集客 or CVのアップ
  • 条件:サイトのリニューアル or 改善
  • 成果に必要なコンテンツ一覧
  • サイトのコンバージョン & コンバージョン単価 ...などなど

見積もり区分 兼 Web制作ワークフロー
(サイトリニューアルの場合)

フェーズ0 コンタクト
戦略の確認、見積もり提出
フェーズ1 環境調査・サイト分析
3C分析、アクセス解析、サイト構造分析
フェーズ2 戦略立案
プロジェクト立ち上げ
フェーズ3 サイト企画
コンテンツ企画、アクセス対策企画、新サイトマップ、新ページリスト
フェーズ4 コンテンツ制作
既存コンテンツの整理と素材の収集、インタビュー
フェーズ5 デザイン・制作
ワイヤーデザイン、サイト基本デザイン、ページ別デザイン、コーディング
フェーズ6 サイトリリース
仮環境テスト・修正、サイトリリース、本番環境テスト、改善リスト作成、SEO経過観察、最終確定見積もり
フェーズ7 効果検証と改善
定期コンサル、マーケティング支援

見積もりはフェーズごとに出していきます。フェーズ0の「コンタクト」の時も「戦略の確認、見積もり提出」で費用をいただくそうです。

どのコストがどの作業に対応しているかの「見積もりの区分 兼 Web制作ワークフロー」を用意して、ひいては費用をかけることによって、さらに成果が上がる、と説明をします。そして、逆に費用を削減する場合は、比例して作業が削減され、成果も削減されるということも説明します。

これらを元にプロジェクトを粛々と進めていく、ということでした。

まとめ

正直「成果見積もりかー、難しいなぁ」と思いました。話の内容が難しいということではなく、実践するためには、沢山の超えるべきハードルがあるなと感じたからです。

しかし「どうにかしたい」と現状考えていたことを打破する"光の道筋"が見えた気もしました。この感覚は久しぶりです。大事にしていきたい感覚だと感じました。

すぐに出来ることもあれば、まだ出来ないこともありますが、1つずつでもハードルを超え、できることから実践していこうと改めて思うことが出来ました。

以上終わり!

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