第2回:色校正にはどんな種類があるの? -オフセット印刷の見本作成-
- 2015年7月17日 08:30
- 印刷・製版
パンフレット印刷や、ポスター印刷を行うときに、色校正と呼ばれる印刷見本を作成する場合があります。第2回は、色校正の種類や特徴について分かりやすく説明します。 第1回:なぜ色校正が必要なの?はこちらから
色校正の種類
色校正の種類には、大きく分けて3つの種類があります。
1.デジタルプルーフ・簡易校正
本番の印刷と同じ紙(印刷用の本紙)を使用しない、デジタルプルーフや簡易校正と呼ばれるものがあります。 一般的なコート紙を最終の印刷物の用紙として使用する場合、比較的イメージに近い仕上がりとなります。
- 印刷用の色調整を行ったインクジェットプリンタで出力する色校正
- 専用の感材を使用したDDCP(ダイレクト・デジタル・カラー・プルーフ)
メリット
比較的安価に仕上がりを確認できます。
デメリット
本番の印刷と同じ紙(印刷用の本紙)とインキを使用しないため、実際の色を表現することはできません。
2.平台校正機を用いた色校正(本紙校正)
製版工程では、古くから活用されている「平台校正機」と呼ばれる色校正を製作する専用の機械があります。 上質系の用紙やマット系の用紙など、印刷後に色が沈みやすい用紙を選択する場合、ポスターや製品カタログになど、色に対しシビアな印刷物におすすめです。
メリット
- オフセット印刷機とは異なり、色校正を製作する時に使用する紙の量が少なくて済みます。
- 本番の印刷と同じ紙(印刷用の本紙)とインキを使用する手法で比較的実際の印刷に近い仕上がりを再現できます。
デメリット
機械の構造が実際のオフセット印刷機とは異なるため、構造上起きる色調の差異が若干生じます。
3. オフセット印刷機を使用した本機校正(本紙校正)
本番の印刷と同じ紙(印刷用の本紙)とインキを使い、オフセット印刷機を使って色校正を製作することで、本番の印刷に近い仕上がりを得ることができます。 精度の高い印刷物を必要とする場合におすすめです。
メリット
本番の印刷と同じ構造の機械を使用するため、本番の印刷と非常に近い色校正が可能です。
デメリット
オフセット印刷機を使用しますので、印刷用の本紙を多く消費します。平台校正に必要な枚数より多くの予備紙が必要となります。
色校正の品質管理
印刷は温度や湿度、機械の設定など、さまざまな要素で大きく仕上がりが変わってしまいます。色校正が標準濃度で印刷できていなくては、本番の印刷で同じ色を再現することができません。
当社では次のような取り組みを行い、本番での印刷再現ができるよう色校正の品質を維持管理しし、高品質で安定した本機校正(本紙校正)を提供しています。
- 温度湿度を管理された工場で印刷
- 全オペレータが印刷技能士1級を保有
- デジタル計測器による徹底した色管理
- 業界で定められた刷色標準規格であるジャパンカラーに準拠
関連会社である伊藤美藝社製版所の平台校正・本機校正(本紙校正)サービスは、次のような案件で利用されています。
- 仕上がりに美しさを求められる女優さんの写真等が入ったカタログやポスターの印刷
- より美味しそうに見せる必要がある食品関連のカタログやポスターの印刷
- 製品の色を忠実に再現する必要がある自動車や携帯、家電製品、服飾のカタログやポスターの印刷
印刷の仕上がりにシビアなクライアントを持つお客様に活用いただけるのではないかと思います。
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