「良いモノは売れる」は本当なのか??

Writer:Asai (20.12.09)

こんにちは。今回は、タイトルにもある「良いモノは売れる」について改めて考えていきたいと思います。この言葉は以前から色々な所で言われていた言葉ではないでしょうか?「良い物を作り続ければ、きっと売れる」「もっと良い物を作れば、他社に負けない」しかし、これは本当なのでしょうか。今回はそこについて書いていきます。

情報伝達・情報収集の変化

まず、大きく変わったのは消費者の情報収集方法です。以前は、近所の口コミ、テレビ、新聞、折り込み広告などの媒体がメインの情報収集方法だったと思います。そして、それらの情報は「発信者からの一方通行」のものばかりだったはずです。その中で1つだけ色が違うのが「口コミ」ですね。

「○○さんが■■だと野菜が良いって言ってたよ」

こういった口コミによって、近所からお客が集まっていく。その評判が人を集めてくる。まさに「良いモノは売れる」を表現する典型的な例ですね。さらにその評判が増えてくるとメディアからの取材という形もあったと思います。

しかし、情報の発達によりそれらは大きく変わっていきます。いわゆるインターネットと情報機器(PCやスマホ)の発展ですね。以前は「近所の口コミ」で情報を得るという受け身の状態から、自発的に情報を取得することができるようになりました。PCやスマホを自ら操作して、必要な情報を得ることができる。この結果、多くの消費者は数多の情報を得ることができるようになりました。いつでも好きな時に好きな情報を得ることができるという環境が生まれたわけです。

口コミの主戦場はネットに

さらに、SNSの発展も大きなポイントです。TVで放送されている情報バラエティ番組を観てみると「SNSで話題」というキーワードが良く出てくると思います。そう、テレビ番組などのメディアも今はSNSから情報を収集している時代になっていることが分かります。それだけ人々の生活に「インターネット」が影響力を持っていることが分かります。その結果、多くの企業がWeb戦略・SNS戦略を取るようになっているんですね。

代表例で言えば「フォロー&RTキャンペーン」というやつです。極端な話をしてしまえば、消費者の多くはtwitterに存在している。その消費者が購入してツイートすれば、情報が拡散していく。結果として多くの人の眼に自社の商品が触れることになる。という構図です。

また、SNSが発展したことにより、インフルエンサーという存在が生まれたこともポイントです。今までは「TVで紹介されたモノ」が爆発的に売れるという構図に新たに「インフルエンサーが紹介したモノ」も売れるという構図も出来上がっています。

以前から「良いモノは売れる」は存在していない?

このように、ネットの発展で情報収集方法が変化していることがわかると思います。しかし、見方を変えれば「近所の口コミ」から「ネットの口コミ」という構図に切り替わっただけなんですよね。そう、つまりは「良いモノ」が売れているわけではなく「口コミで評判・評価を受けたモノがが売れている」わけなんです。いわゆる「○○が良いって言っているから良いモノだろう」という構図なわけです。もちろん品質が悪ければ、リピートや購入には繋がらないでしょう。しかし、品質が良くても「知られなければ売れないという状況」は以前から同じなんですよね。

「知ってもらう行動」が大事

このようにモノを売るためには、「知ってもらう」という行動がまず大事なわけです。消費者の行動はこれまでの「リアルな対面関係」に加え「インターネット」という場所が生まれました。そして、そのネットという場所は日々人々の生活に根ざしています。

何かを知りたいと思ったときに、まずネットというような行動もまさにそれです。

そのため、「いかに多くの人に自社や商品のことを知ってもらうか」という点が非常に重要なわけです。そのため企業としては、ネット上の戦略というものを重視していく必要があります。なぜなら、リアルな対面関係よりもインターネットの方が商圏が広いわけですから。そして、Webサイトを持つだけでは知ってもらうという手法としては不十分です。Webサイトを活用したコンテンツマーケティングへの取り組み、SNSを活用した情報発信など「インターネット上の攻め」が企業側には更に求められるわけです。

消費者の気持ちになって

最後に1つだけ。ただ、情報を発信していくだけでは成果は得られません。大切なのは、「消費者の気持ち」になることです。つまり、「消費者が自社で買いたい!自社に依頼したい」と思わせなければいけないわけです。そのためには、「自社の商品・サービスはどんな人にとって有益なのか」を考えながら、消費者に刺さる情報を発信する必要があります。(これがめちゃくちゃ難しい。。。)

「良いモノは売れる」という発想は僕は誤っていると思っています。「知ってもらった良いモノが売れる」わけなんです。ただ、商品・サービスを出して売れるのは、一部の大企業のみであることを認識しておく必要があります。

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