Writer:Koketsu (23.02.16)

Webサイトの制作やWebサイトリニューアルをはじめ、会社案内やチラシなど紙媒体のツール制作も同様ですが、外部に何らかの発注依頼をする際、思いがうまく伝わらず苦労した。そんな経験がある方はきっと少なくないと思います。
当然受注した制作会社のクオリティも問われますが、実はほとんどの場合、発注側からの情報が不足していたり、または情報過多が原因で最適な情報が伝わっておらず的外れな提案になってしまうことが多いと言われています。
そういった現象が起こるポイントはどこか?それは口頭による打ち合わせであったことに起因しています。口頭伝達は多くのリスクを伴います。その日の体調や精神状態によって内容が抜けたり、伝え忘れたりといったこともあります。また、その場の盛り上がりに流され、伝えるべきポイントの強弱や優先順位がわからなくなるといったことも問題です。
そこで必要となってくるのが「RFP(提案依頼書)」です。
今回のコラムでは、制作会社に良い提案をもらうための重要な情報伝達手段であり、プロジェクト全体の質を高めるためにも欠かせない要素であるRFP(提案依頼書)をご紹介します。
RFP(提案依頼書)とは?

RFP とはRequest For Proposalの略で、企業や団体が外部の業者や専門家に対して、ある問題や課題を解決するためのアイデアや提案を募るための書類を言います。もっと簡単に言うと「発注者が依頼先に具体的な提案の依頼をするための資料」とお考えください。
しかし、お金を払う側である発注者が、お金を貰う側である依頼先のためになぜ手間をかけて説明資料を準備しなければならないのか?ヒアリングできちんと読み取ってくれれば良いのでは?そう疑問に思う方も多いと思います。発注者の手間を考えればこのような疑問も頷けますが、全てを口頭で進めてしまうと、先述のような失敗を招き、手間も時間も費用も掛かるという事態になりかねません。
よってプロジェクト成功への効率的な方法にRFP(提案依頼書)は不可欠と言えます。
WebサイトリニューアルにおけるRFP(提案依頼書)に必要な内容
- 概要
- リニューアルの範囲
- ターゲット
- サイト設計
- デザイン
- コンテンツ
- SEO対策
- スケジュール
- 予算
WebサイトリニューアルのためのRFP(提案依頼書)作成ステップ
1. 目的や目標の設定
売上の向上やアクセス数の増加、ユーザビリティの向上など、今回の制作プロジェクトの目的や目標を明確にすることが必要です。
2. 要件定義の策定
レイアウトの改善やナビゲーションの改善、読み込み速度の改善など、プロジェクトの目的に対して、具体的に何を改善するべきかを明確にすることが必要です。
3. 予算の設定
どんなプロジェクトも予算の設定は必要です。同じ目的や要件定義であったとしても予算が違えばやり方は大きく異なります。予算が限られている場合には、どのような改善を優先させるかを明確にしなくてはなりません。できるだけ安い方が良いからと依頼先に予算を明かさずに進めると、ミスマッチの原因になりかねません。
4. スケジュールの設定
予算と同様にスケジュールも重要なポイントです。いつまでに必要か?制作にどれほど時間が掛けられるかによってできる対策は大きく変わってきます。スケジュールが限られている場合には、やはり優先させるべきタスクは何かを明確にさせる必要があります。
5. RFP(提案依頼書)にまとめる
上記の内容が固まったら、RFP(提案依頼書)にまとめます。また、発注企業と制作会社の役割分担を明確にすることも必要です。ここが曖昧だと「これは(相手方が)やってくれるはず」といったお互いの思い違いから、後々タスクのお見合いが発生してしまうこともあります。ポイントは、「必ず提案してほしいこと」「可能であれば提案してほしいこと」を明確に記載することです。
しかしながら、RFPを作っているタイミングでは、何をどこまで開発するか、すべて決まっていないこともよくあります。その場合は、迷っていることを制作会社にきちんと伝えることが重要です。そうすると、制作会社はその内容をすすめた場合のメリット、デメリットなどをふまえて、提案を考えることができます。
また、Webや制作ツールに詳しくない担当者だと、当然技術的によくわからないことも多いと思います。その場合は、わからないこと、疑問に思っていることを正面から伝えた方が、発注企業と制作会社、お互いのためになります。専門用語など、わかったつもりで話を進めてしまうはとっても危険です。
RFP(提案依頼書)を外部委託する方法も。
ここまでご紹介してきたRFP(提案依頼書)を外部のコンサルタントやエージェントに依頼するという選択肢もございます。彼らは専門知識を持っており、要件定義や提案内容の設計サポート、概算予算などもある程度相場を掴んでいることが多いので、ミスマッチを大いに防ぐことが可能です。RFP(提案依頼書)の外部委託する場合のメリットとデメリットをまとめました。
【メリット】
- 専門的な知識を持つエキスパートに依頼できるから依頼書の質が上がる。
- 多大な労力をカットできるため効率化が図られ自社人員の確保ができる。
- 第三者視点のアイデアや指摘を取り入れることができる。
- 提案が複数ある場合に、選定の観点をより客観的にすることができる。
【デメリット】
- 依頼にコストが発生する。
- 情報漏洩のリスクがあるので秘密保持契約を結ぶ必要がある。
- 自社内と比べてコミュニケーションの調整に時間がかかる場合がある。
- 自社内と比べて経営陣の意思決定に時間がかかる場合がある。
以上のように、RFP(提案依頼書)の外部委託にはメリットとデメリットがあるため慎重な判断が必要となります。要件や目的、予算、スケジュールなどを踏まえ、外部委託の利用が適切かどうかを検討することが重要です。
アイビーネットでもRFP(提案依頼書)のサポート業務を承っております。情報の精査から表現の方法まで、情報発信のプロとして、皆様と一緒に最適解を考えさせていただきます。詳細が知りたい方や、疑問・質問のある方、お気軽にお問合せください。
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