ISO26000の視点から、CSRの取り組みを考える。

Writer:Imada (18.07.23)

CSRの取り組み(企業の社会的責任)とは、具体的にどのような取り組みでしょうか。一つの例として、社会的責任の国際規格である、「ISO26000」を例に、説明します。

CSRには、国際規格(ISO26000)があります。

ISO26000は手引規格(ガイダンス規格)であり、ISO9001のような要求事項を示した認証規格ではありません。企業がCSRの取り組みを進めるにあたり、参考書であるということを理解する必要があります。
企業がCSRを取り組む時の参考書としてISO26000を活用するものであり、それぞれの企業にとって重要な課題、優先的に取り組む課題が複数存在し、特色のある取り組みがあって良いということになります。

重要課題=マテリアリティと言います。

ISO26000の「7つの原則」と「7つの中核主題」

7つの原則

  1. 説明責任
    組織の活動によって外部に与える影響を説明する。
  2. 透明性
    組織の意思決定や活動の透明性を保つ。
  3. 倫理的な行動
    公平性や誠実であることなど倫理観に基づいて行動する。
  4. ステークホルダーの利害の尊重
    様々なステークホルダーへ配慮して対応する。
  5. 法の支配の尊重
    各国の法令を尊重し順守する。
  6. 国際行動規範の尊重
    法律だけでなく、国際的に通用している規範を尊重する。
  7. 人権の尊重
    重要かつ普遍的である人権を尊重する。

ステークホルダー:その組織の利害関係者(顧客、社員、株主、地域社会、学生など)

読んでみるといたって当たり前の事が書いてありますね。この7つの原則はCSRの概念を表現したものと捉えてください。

7つの中核主題

  1. 組織統治(ガバナンス)
    • 組織として有効な意思決定の仕組みをもつようにする。
    • 十分な組織統治は、社会的責任実現の土台となる。
  2. 人権
    • 人権を守るためには、個人・組織両方の意識と行動が必要。
    • 直接的な人権侵害だけでなく、間接的な影響にも配慮し、改善する。
  3. 労働慣行
    • 労働慣行は、社会・経済に大きな影響を与える。
    • 「労働は商品ではない」が基本原則である。
  4. 環境
    • 組織の規模にかかわらず、環境問題へ取り組む。
    • 環境への影響が「わからないから取り組まない」ではなく、「わからなくても、環境問題に取り組む」の予防的アプローチをとる。
  5. 公正な事業慣行
    • 他の組織とのかかわりあいにおいて、社会に対して責任ある倫理的行動をとる。
  6. 消費者課題
    • 組織の活動、製品、サービスが消費者に危害を与えないようにする。
    • 製品・サービスを利用した消費者が環境被害など社会に悪影響を及ぼさないようにする。
  7. コミュニティへの参画及びコミュニティの発展
    • 地域住民との対話から、教育・文化の向上、雇用の創出まで、幅広くコミュニティに貢献する。

7つの中核主題は、CSR活動の枠組みを表したものです。ちょっと分かりづらいので、簡単な図を下記に。

CSR活動には、組織としての意思が大切になるため、全ての課題に関わっていることを示しています。そのため、CSR活動に取り組む際は、上記の図の7つの中核主題を軸にしていくことが求められます。

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